小津安二郎「麦秋」を観て
ムラゴンのお仲間「ユモレスク爺さん」のブログで小津安二郎監督「麦秋」の話題があり、懐かしくなってDVDを観ました。
小津安二郎にかかると、台所にぶら下がっている使い古した鍋すら美しく見える。小物類がリアルで生き生きとしている。
出演している俳優さん達の佇まいは、若かりし頃の伯父叔母たちを思い出させる。懐かしい😌🍀
映画の中の家屋や家具類が亡き祖父母宅を思い出させる。幼きコリコが周りの大人たちに庇護されて呑気に生きていたあの良き日々を思い出します。懐かしい😌🍀
原節子さんがお茶漬けを茶碗2杯食べるシーンは
新たな発見😁✌️(意外と大食漢?)
彼女が嫁に行く前日に、一人泣くシーン。
最初はさめざめと、最後は号泣😭😭😭💦
分かる~。分かるよ~。私も新婚旅行の時に「あー。私はこの人とこの先暮らしていかなきゃいかんのか!死ぬまでこの人と?」愕然としましたよ。
あー。もう私の人生、先が見えてしまった~。
終った。終わりだ………と思ったら、ものすごく悲しくなって。涙がとまらなかったよ😢💦💦💦(笑)
小津作品から受けとるものは、人間の哀しみ。
愛娘が嫁に行った後のシーンは胸に迫るものがある。老夫婦がしみじみと語り合う。
「みんな離ればなれになってしまって寂しいですね。色々ありましたけど、私らはいい方ですよ。
幸せです。」と言ってる顔は決して笑顔でないところに、生きていく苦しみや哀しみを見ました。
杉村春子さん演じる現実的なチャキチャキおばさんも、気っ風が良くて元気なんだけど、底辺に哀しみが漂っていて。名女優だなと思いました。
傑作だと思います。
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