肩コリコの日常

ゆる〜く日常を綴ります。

本の話


私が繰り返し読んでいる本です。

中村文則さんの「何もかも憂鬱な夜に」






以下、私の拙い読書感想です😅



孤独で絶望的な僕に「あの人」(恩師)がかける言葉が胸に迫ります。


「〈中略〉現在というものは、どんな過去にも優る。アメーバとお前を繋ぐ無数の生き物の連続は、その何億年の線という、途方もない奇跡の連続は、いいか、全て、今のお前のためだけにあった、と考えていい。」


「〈中略〉自分の好みや狭い了見で、作品を簡単に判断するな。自分の判断で物語をくくるのではなく、自分の了見を、物語を使って広げる努力をした方がいい。そうでないと、お前の枠が広がらない」


「自分以外の人間が考えたことを味わって、自分でも考えろ。考えることで、人間はどのようにでもなることができる。


……世界に何の意味もなかったとしても、人間はその意味を、自分で作り出すことができる」


主人公の僕は恩師の思いを引き継いで、不幸な生い立ちの死刑確定の少年にこう言葉をかけます。


「〈中略〉お前は今、ここに確かにいる。お前は、もっと色んなことを知るべきだ。どれだけ素晴らしいものがあるのか、どれだけ奇麗なものが、ここにあるのか。お前は知るべきだ。」



  「命は使うもんなんだ」



私が一番好きな美しいフレーズがあります。

最後に紹介させて下さい。



〈中略〉通学路に咲き乱れた無数の桜は、ピンクというより、鮮やかな白に近かった。僕は、彼が最初に僕にくれた、あの三足の真新しい白い靴を思い出していた。


「はき潰せばいい。靴はすり減らすためにある」


あの時の靴の白は、この鮮やかな桜より鮮やかだと思った。



   🌿  🍀  🌱 🌿  🍀  🌱


中村文則さんの小説を読むと、こんな私でも生きてていいんだって思えるのです。

中村さんのあとがきの

「共に生きましょう!」に救われてきた私です。


今ここにいるだけで奇跡。

共に生きましょう。


ではまた。