乙女の祈り
父の好きな曲です。
父自ら弾いておりました。
アルペジオはくっちゃくちゃでしたけど(笑)
最後のオクターブで弾くところになると、やたら張り切って得意そうに弾いてました。
私が小学校に上がってこの曲を弾けるようになると頻繁にリクエストされました。「お父さんは山が好きだからこの曲が好きなんだよ。お父さんのお葬式にはこの曲を弾いてちょうだい。」
幼い私は父のこの言葉が嫌でした。
お葬式=死
とても寂しく哀しくなってしまったものです。自分の気持を外に表すのが苦手な私は、本当は悲しいのに笑うしかありませんでした。
そして私はこの曲が嫌でした。なんかダサいと感じたからです。左手は退屈で、右手は練習曲のようにアルペジオとトリルがしつこくて。最後に仰々しくクライマックス然とオクターブで終わらせるところもなんかイヤでした。
久しぶりに聴いてみたら、それほど嫌でもなかったです。若かった頃の壮健で自信満々の父の姿を思い出し、懐かしくてたまらなくなりました。
それでは失礼します。
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