その社宅のお風呂はとても変でした。

全くもって意味不明なんですけど鍵が外側についているんですよ。

あの冬の寒い夜、夫は出張で家を空けておりました。私は2歳の娘と１歳の息子と共にお風呂に入りました。娘は先に上がると言って扉をガラガラ開けて出て行きました。

娘は２歳にしては割としっかりしてましたので、一人でタオルで体を拭いてパジャマを着ました。

私は寒かったので、娘に扉を閉めるように言いました。後から考えればこれが良くなかった。

しばらく扉の向こうで歌を歌っていましたが、飽きてきたのか問題の鍵をガチャガチャいじりだして…。私が「鍵をかけちゃ駄目だよ」と言うよりも早く…しっかりとロックしてしまったのですよ！

娘はびっくりしてしまってパニック状態。泣き出してしまう始末。

私の脳裏には風呂の中でふやけて死んでる母子と扉の外で凍死した娘の図が浮かんで来ました。

いや、いかん。子供を死なせる訳にはいかん！ここは恥ずかしいなどと言っている場合じゃない！

私は風呂の窓を全開にすると

向かいの別棟に向かってあらん限りの声を振り絞って叫びました。

「助けてー！！」

何度も何度も叫びました。

灯りがちらほら点けども、顔を出してくれる人はおらず。

私は諦めずに叫び続けました。

すると優しい奥様がベランダに出て

来て下さり、私が経緯を話すと

助けに来て下さったのです。

幸い娘は玄関の鍵は開けられたので

スムーズに行きました。

本当に有難かったです。

これを教訓に、私はいつでも子どもたちと行動を共にすることを誓ったのであります。

小さなお子様をお持ちのお母様方、お孫様をお守りしておられる皆様もお気を付け下さいませ。

では失礼致します。