肩コリコの日常

ゆる〜く日常を綴ります。

辺見庸「もの食う人びと」⑦



「胃袋の連帯」

タイの世界一大きいレストラン


兼好法師も言っている。

「飲食、排泄、睡眠、言語…

 止むことを得ずして、

 多くの時を失ふ」(徒然草)


食はそれほどに大切なもの。



ローヤル・ドラゴン・レストランはギネスブック認定の世界一大きいレストランだ。この店の現実哲学は昨今の地域紛争解決の鍵となる?


5,000人収容できるそのレストラン。

ありとあらゆる民族、宗教、階級の人びとが平和裏に渾然一体となって食べている。どんな食べ方でもOK。お好みの味付けで。


料理を運ぶスタッフは店内をすいすい動けるように光ゲンジよろしく全員ローラースケート着用!


オーナーは若い。バンコク育ちの中国人だ。彼は言う。


「食う楽しみに宗教も政治も身分も関係ないね。だからこの商売ができる。」



辺見氏の感想が面白い。

「人類は頭では駄目でも胃袋で連帯できるのかもしれない。少なくとも食っている間くらいは。この店で民族、宗教問題緊急国際会議を開いたらどうか?共に食いながら話せば、果てしない殺し合いより、食う楽しみを取り戻すほうがいいと、胃袋で理解できはしないか。」


残飯は養殖魚の飼料として業者に売っている。抜かりない。



 画像はお借りしました。

ローヤル・ドラゴン・レストラン