肩コリコの日常

ゆる〜く日常を綴ります。

辺見庸「もの食う人びと」⑥


「食と想像力」(タイの猫缶工場)


あなたの愛猫が食べているその缶詰が、どうやってできたものか想像してみたことがありますか?


タイは日本の猫缶のほぼ全てをまかなう。猫缶作りは過酷な仕事だ。


〈猫缶作りの工程〉

①臭気と熱気の中でのカツオを捌く力仕事

②骨抜き作業。根気のいるピンセットでの小骨除去。

③慣れるのに最低でも2ヶ月はかかる指先での血合い(猫缶用)と白身(人間用)の分類。

④ベルトコンベアで運ばれてくる缶に手でいちいち魚肉を入れては計量。


8時間労働で日給約575円。

狭い寮の一部屋に3〜4人で寝起き。


日本向け猫用缶詰の包装は、この工場のギリシャ向け人間用魚肉缶詰のそれより立派で金をかけている。


日本の猫の食費とタイの猫缶工場従業員の食費はほぼ同額だそうだ。


我が家で飼っていた秋田犬げんき君が尿路結石を患った時、値の張る治療餌を取り寄せていた。配送してくれた佐川急便のおじさんが言った言葉が忘れられない。


「お宅のワンちゃんの方が俺よりいいもん食ってるなぁ〜」


 (画像はお借りしました)