肩コリコの日常

ゆる〜く日常を綴ります。

藤岡陽子「この世界で君に逢いたい」





主人公の青年は子供時代に大切な人を理不尽な死によって失う。与那国島を訪れて出逢った人々との交流。不思議な体験。転生。喪失と再生。


与那国島には非現実的な世界を受け入れる文化がある。ユタと呼ばれる霊的な力を持つ人たち。とりわけ葬式はユニークだ。遺体を7年後に墓から取り出して酒で洗い清め丁重に葬り直すという。前世というものを信じる。人は前世でやり残したことを遂げるためにまた現世に還ってくる。


人生は流れであり、自分の運命から逃げるでもなく抗うでもなく、流れに沿ってゆくしかない。


誰しも自分の流れに沿う力はある。いま自分の周りにどんな人がいるか?出逢った人の魂をしっかりと視ていたら流れを見失わずにすむ。


子供を育てるって面白いねぇ。赦して赦して赦して守るのよ。それが親なんだねぇ。


目に見えない世界を人は信じなくなっている。人への想いも未来もなにもかも本来は目に見えないことばかりだというのに。


目の前にあるかけがえのないものに気づくことの大切さを感じました。