中村文則「列」
列に並んでいる人たちを観察しているような感じで始まり。
列はひとつではなく幾つもあり。
人間の矮小さや醜さが炙り出されて。
悪意のぶつかり合い。
我々は知らないうちに何者かに列に並ばされているのだろうか?並びたいから並んでいるのか?列の先には一体何があるというのか?
人間の望みは似たりよったり。
子供の成功。侮辱されず家族の幸福を見せる。夫の出世。母からの評価。ゆとりある田舎生活を見せる。愛人の多い弟の妻を、自分も犯したい。
「あらゆる所に、ただ列が溢れているだけだ。何かの競争や比較から離れれば、今度はゆとりや心の平安の競争や比較が始まることになる。私たちはそうやって互いを常に苦しめ続ける。」
チンパンジーはDNA的に最も人間に近いらしいが。思いやりのある種であるが同時に同種を殺すし戦争もするのだという。圧倒的な男性社会で性暴力もあるのだそうだ。
しかし、次に近いボノボは女性社会なんだそうだ。彼らの戦争回避術とはなんと!性交渉だという。
ニホンザルの世界での革新行動は、いつもほぼ若いメスから始まるらしい。芋を洗って食べる行動。温泉浴。芋を海水で洗って塩味をつける行動も。
このことが人間に応用できるのかは分からないが、学ぶ意義はありそうだ。
自分の中の悪を真正面から見つめ、問い続けることをやめてはいけないなと思いました。
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